発電機ローターの復旧作業
発電機(Generator)はさまざまな工場で用いられいる電源設備です。
原理は自転車のダイナモと同じです。自転車と違うのは発電機(ダイナモ)が巨大なのと、発電機を回す動力が人力ではなく蒸気タービンやガスタービンである点です。
発電の原理は↓のHPに非常にわかりやすく解説されています。
https://www.yonden.co.jp/cnt_kids/survey/principle/001.html
発電機は回転するローター(磁石)とその入れ物であるステーター(コイル)に分けられます。
常に回転している機械もののため、ローターやステーターは一定期間たった後はオーバーホールして清掃や修理(リコイル)が必要になります。
今回はローター抜出後、復旧作業を行っている動画を紹介します。
これが発電機の中身のローターです。分解して修復点検後のものです。これをステーターに復旧していきます。
ここは修理業者のワークショップのようです。天井に天井走行クレーンがついています。ローターにナイロンスリングを4本かけます。
ほんの少しだけ吊り上げて地切りし、徐々にステーターの中にローターを差し込んでいきます。無線機でクレーンオペレーターに出しています。
1/3程度ローターが入ったら、一度地面に下ろしてスリングをかけなおします。
シャフト端部には軸受けがついていますが、軸受けの下には鉄板が敷かれています。
ステーターの逆側にも作業員が待機しています。
ハンドウィンチをローター側につなげて、引き込んでいます。日本ではチルコーポレーションのチルホールがよくつかわれます。↓こんなやつ。
ハンドウィンチのワイヤはローターハブのボルトホールに固定されています。
下に鉄板を敷いているのは、反対側からウィンチで引き込む際に滑りやすくするためです。さらに、天井クレーンで若干吊り上げておくことで、ぎりぎりまで抵抗を減らし、軸受け底部の傷つきを防ぎつつうまく引き込んでいます。
ハンドウィンチのフックはさすがにソフトスリングでハブに固定されています。こちらも逐一状業を無線で報告して、慎重を喫しています。
必要位置まで引き込めたらクレーンをリリースします。
このように無事引き込めました。
感想:
今回作業員が来ていたユニフォームにSulzerの文字がありましたね。Sulzerはスイスに本社を置く回転機や医療器具の製造メーカーであると同時に、回転機等のメンテナンスを手掛けています。事業所は世界各地にあり、各種プラントで保守点検サービスを行っています。
伝統ある会社だけあり、作業が非常にスムーズで洗練されていました。現地のスタッフと思われますが、よく訓練されている様子です。
今後設備の復旧や更新、保守点検がより重要になってくる中で、Sulzerのような会社の重要度はきっと増していくことでしょう。
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