SafetyFastブログ

趣味の重量輸送関連技術紹介と、投資関連知識の備忘録です。

Enerpac社のタイヤ移動式油圧ガントリー

Enerpac社のHydraulic Travel Gantryを紹介します。

 https://www.youtube.com/watch?v=VSO-i9nKoVg

 

前回の記事でMemmoet社のHydraulic Gantryを紹介しました。

 https://safetyfast.hatenablog.com/entry/2019/04/02/232036

 Enerpac社も類似の製品があります。Enerpac(エナパック)社の本社はアメリカですが、日本語のホームページもあり、日本でも製品が普及しています。得意としている製品は油圧が必要となるような製品です。代表的なものが油圧ジャッキ、トルクレンチ、テンショナーなどです。

 

Enerpac社のHydraulic Travel Gantryは”Travel”とつくだけあって、車輪により縦横無尽に走行できます。Mammoet社のHydraulic GantryはSkidding Trackと呼ばれる油圧シューの走行トラックを敷設し、その上を直線的にしか移動できませんが、このEnerpacのHydraulic Travel Gantryを使えば移動の制限はなくなります。ただし吊り上げ荷重が小さくなります。

 

それでは紹介動画を見ていきましょう。

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Enerpac社の製品は黄色が使われます。会社のロゴが黄色ですので、コーポレートカラーでしょうか。

 

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この40フィートコンテナの中にHydraulic Travel Gantryが収納されています。

 

 

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コンテナの幅は8フィートですので、このHydraulic Travel Gantryの車幅は約2.4mくらいですね。普通の車と同じくらいです。

 

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このように自走でコンテナから出てこれます。

 

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コンテナから出てきたら、収納されていた各部位が展開されます。ここに書いてありますが、フットプリントサイズは9.748mx4.850mまで展開されます。

 

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走行タイヤは最大2.5km/hで走行できるようです(空荷のとき)。

真ん中にホイストユニットがついており、写真左右の振れ無二はクランプデバイスでロードワイヤがかかっています。

 

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ホイストユニットを取り付ければ天井走行クレーンのように使えます。

 

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ホイストユニットが取り付いているフレーム自体が油圧で昇降できるようになっていますが、そこまで重くないものであればホイストユニットで吊り上げられます。

 

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オペレーターは無線の操作版でTravel Gantryを制御します。このTravel Gantryは最大60トンまでのつり上げが可能のようです。タイヤ付きで操作性が良い分、前回紹介したMammoet社のSkidding Shoe(https://safetyfast.hatenablog.com/entry/2019/04/02/232036)を使う場合よりも大幅に吊り上げ荷重が小さいです。

 

 

 

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コンテナのような重量物を持ち上げる場合はフレーム自体につり荷を引っ掛けて、フレームを支える4本の支柱が油圧で昇降して物を持ち上げます。

タイヤは全方向にステアリングするため、移動の柔軟性が高いです。

 

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使用開始時や終了時は、自動で折りたたまれるため、煩雑な分解・展開作業は不要です。

 

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吊り上げ高さは最大8mまたはコンテナ2つ分のようです。

文面から察するに、港や倉庫でコンテナを取り扱うことを想定しているようですが、工夫次第で様々な重量物輸送や据え付けに応用できそうですね。

 

感想:

Enerpacの製品ということでさすが欧米系、非常に洗練された仕組みで、作業員の手がかからない工夫が感じられます。タイヤ付きということで移動の柔軟性が高まった分取り扱い可能の荷重が60トン程度となります。コンテナ程度なら余裕で運べますが、それ以外でも応用の可能性がありそうです。

 

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