<重量輸送>パイプを使った変圧器コロ引き
乗り物系の動画を撮影してくださっている、whitewing681さんの動画にパイプを使った重量物コロ引きが紹介されています。面白い技術ですのでちょっとみてみます。
シキ850という貨物列車に変圧器を載せて持ってきたものを大型トレーラーに移し替えていくきます。
こういう貨物輸送用の列車があるようです。シキ850と呼ぶそう。ロゴが入っていますが、日本通運の所有車両です。変圧器は四方を囲むガーダーで支えられており、レールすれすれを運ばれてきています。
重量トレーラーを横付けして、クレーン一台とトラクターを一台準備しています。クレーンを使わないということはこの変圧器は相当な重量ですね。トレーラーを見るにドーリーユニットが前後に合計7軸ついています。100トンくらいあるのかな。
変圧器を養生していたカバーを外しています。さすがの日本通運さんで、カバーをとるだけの作業でも安全帯を仮設で設けて落下防止策をしっかりと練っています。
車両からトレーラーに搬入貨物を移す下準備として、トレーラーと同じレベルで木材を並べます。黒色のガーダー上に載せて、下部を浮かせているのはこのコロ引きの伏線だったんですね。
ジャッキを変圧器下部のジャッキボス部分にかけていっています。油圧ホースで各ジャッキがおそらくつながっており、同調ポンプを使ってジャッキ作業をしているようです。
ジャッキを使って変圧器を地面におろしたら、シキのけん引ユニットを引き離します。二人ぐらいで軽々と押しています。数トンはありそうなユニットですが、レール上は抵抗が少ないんですね。
いよいよコロ引きです。コロ引き用のローラーパイプを敷いてその上に変圧器を下ろします。
さすがに変圧器自体のコロ引きは人力ではなく、クレーンフック(左側)とトラクターに付随したウィンチで行っています。この二つは同調システムがないので、職人さんの合図で同時にちょっとずつ引いていると思います。素晴らしい連携です。
コロ引き用パイプと変圧器の間には木材をかませて傷防止をしています。
コロ引きの際にトレーラが沈み込まないようにトレーラーのふちに木材をかませています。トレーラーが沈んだら水平が保てず転倒の危険があります。
トレーラーに乗り切ったら変圧器をシキと連結していたガーダーを外します。ごついですね。
トレーラーにしっかり固縛して、移動完了。すごいトレーラーですね。このサイズを陸送で運び出すのは相当に大変そうです。
感想
とても興味深い映像でした。丸太を敷いてモアイ像を移動している大昔の歴史の教科書にのっているような技術が今も精度を高めて現役で使われているという点が発見でした。このローラーパイプはやはり特注なのだろうか。ベルトコンベアのパイプでもよさそうな気がするが、楽天やモノタロウ探してみたけどそれらしいものはなかったです。
作業はさすが世界の日通という感じ。KYからはじまり安全管理は素晴らしいものでした。